子はかすがい?子どもが出来ると夫婦関係はどうなるか?
子はかすがい?
日本の慣用句として「子は鎹(かすがい)」というものがあります。かすがいとは、材木と材木を繋ぎ止めるために打ち込む、両端の曲がった大きな釘のことです。
ここから転じて、子どもには夫婦仲を取り持つ役割があるという意味を指します。
つまり、古くから日本では、夫婦の間に子どもが生まれると、夫婦は円満な関係でいられると言われてきたわけです。そして、この考え方は日本特有のものではなく、西洋などでも広く信じられてきました。
それでは、夫婦の間に子どもが生まれると、本当に夫婦仲は良くなるのでしょうか。
子どもと満足感の低下
実は、心理学の研究結果を見てみると、子どもが生まれることで夫婦の結婚満足度は低下することが分かっています。
特に、子どもが乳幼児や児童の時には、結婚満足度が最低ラインまで低下することが分かっていますとされています。
一方で、子どもが家を出るころになると夫婦の満足度は上昇し、また元のように戻ることも報告されています。
このように、夫婦の結婚満足度は一度子どもが生まれることで低下し、また子どもが出て行くことで増加するのです。
それでは、なぜこのように子どもが生まれると夫婦の結婚満足感は低下するのでしょうか。
なぜ満足感は低下するのか
なぜ夫婦の結婚満足度が低下するのかについては、いくつかの理由が挙げられています。
例えば、子どもが生まれると女性ばかりが育児に関わるようになり、男性がそれを手伝わないという不満感が現れるようになります。
他にも子どもに手をかけるようになり、それぞれの自由時間が減ったり、性交渉をする機会が減少します。
そして、最後に子どもが生まれることで経済的な負担が大きくなるので、単純にストレスがたまりやすくなります。
このように、様々な原因から、子どもが生まれることで結婚満足度が低下しやすくなると言われてきました。
ただし、こうしたいくつかの研究によると、「お金の負担の増加」や「性的な関係の減少」はそれほど結婚満足度に影響を及ぼしていないことも分かっています。
なぜなら、実は子どもが生まれることによって結婚満足度が低下するのは主に女性の方だからです。
つまり、子どもが生まれることによって夫婦の満足度が低下するのは、旦那が女性の育児に関わってくれないことで、女性が「自分の自由が制約された」と感じやすいからだとされています。
まとめ
子はかすがいとされているように、世間的には子どもの誕生によって夫婦仲は強まるという意見もあります。
ですが、実のところ子どもが生まれることで、特に女性の結婚に対する満足感は低下してしまうことが分かっています。
これは、子どもの誕生が原因というよりは、それに伴って夫が育児や家事などを手伝ってくれないことが原因だとされています。
夫婦の関係を良好に保つためには、子どもが生まれた後でも男性が女性の育児や家事に対して積極的に関わっていく態度を見せることが重要だと言えるでしょう。