失恋や辛いことがあってもヤケ酒を飲むのは止めよう!―嫌な記憶は決して消えない―
「嫌なことは酒で洗い流そう」「酒でも飲んで前の恋人のことなんて忘れよう」皆さんもこういったセリフを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
アルコールを飲むと辛い体験が忘れられると考え、恋人とトラブルが起きた時や、振られてしまった時などにアルコールで気分をごまかそうとします。
ですが、最近の研究では、むしろそういった時にアルコールを摂取するのは逆効果である可能性が指摘されています。
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アルコールと嫌な記憶の関係
東京大学の研究によると、怖い体験を思い出した後にアルコールを摂取すると、その恐怖体験が強められることが分かっています。
このことから、研究者は「嫌な出来事を忘れようとして酒を飲み、憂さを晴らし、友に慰められ、その場は楽しい気分になっても、翌日には楽しかったことはよく覚えていなく、逆に忘れようとした嫌な記憶が強く残ることになる」と述べています。
つまり、嫌なことを忘れたいのであれば、本当はお酒を飲まない方がいいというのです。
お酒を飲んで意識をなくす
それでは、中途半端に飲まず、むしろ意識を無くすぐらい飲んでしまうのはどうでしょうか。これは記憶の話だけではなく健康の面から見ても大変危険な行為です。
こういった状態を何度も繰り返していると、脳が機能障害になってしまい、アルコール依存症になりやすくなるだけでなく、40代以降に記憶障害を起こしてしまうことさえあります。
たとえお酒を飲むにしても、ほどほどの量にしておくことが重要です。
嫌な記憶への対策とまとめ
それでは、嫌な記憶を消すには一体どうすればいいのでしょうか。一番の対策は身近な人と一緒に遊んだりして、楽しい記憶を新たに植え付けることだとされています。
私たちは、嫌な記憶を短時間で“忘れる”ことはできません。嫌な気持ちになりたくないなら、楽しい出来事で気分を上書きするしかないのです。ですので、友人や同僚と遊びに出かけたり、趣味を楽しむのが一番の対策法だと言えるでしょう。
ただし、失恋などの体験があまりにも強すぎて遊ぶ気にもなれないという方もいらっしゃるかもしれません。そういった時には、時間が経過するのを待つ方がいいでしょう。
私たち人間は、時間が経てば体調が回復してくるように、時間の経過によって気分もある程度回復するようになります。いつまでも辛い気分ではいられないように身体のシステムができているのです。
ですので、辛いことがあった時は、また趣味に打ち込んだり、遊んだりできるようになるまで時間が経過するのを待ちましょう。きっといつか気分が晴れることでしょう。