恋人を湧き立たせる言葉は男女で違う？ ―美しさを褒められて喜ぶ女性と、成功したことを褒められて喜ぶ男性―

男性と女性が傷つきやすい要因は違う

進化的に、あるいは生物的に男性と女性に求められる役割というのは異なっています。

女性は子どもを産むために「若く」、そして免疫力が高いとされる「容姿が良いこと」が求められ、男性はそんな女性を支えるために「経済力があり」、「女性を愛してくれそうな人」が求められます。

実際、男性は「美しい」女性に接した後に、現在付き合っているパートナーに対する愛情が低下しますが、女性の場合はそうでなく、「うまくいく見込みが高そうな」男性に接した後にパートナーに対する愛情が低下します。

重要なこととして、こうした特徴は異性から求められるだけでなく、同性の間でも「女性としての」あるいは「男性としての」価値を決めるための大きな基準として用いられる傾向があるのです。

美しい同性を見ると傷つく女性、成功した同性を見ると傷つく男性

ある研究では、男性の自己評価は魅力的な男性に接した後よりも、むしろ非常に成功した男性に接した後に低下することが分かっています。

一方で、女性は逆に成功しているよりも、むしろ美しい他の女性に接した後に自己評価を下げることが分かっています。

このように男性と女性では、自己評価において傷つきやすい特徴に大きな違いがあることが知られています。

もしも恋愛関係をうまくいかせたいのならば、パートナーに対して、男性は「美人の女性と関わったこと」を伝えるべきではありませんし、女性は「金持ちの、あるいは優れた能力を持つ男性と関わったこと」を伝えるべきではありません。

ひょっとすると、パートナーの強い怒りや嫉妬を生起させてしまう原因になる可能性もあるからです。

女性が喜ぶ言葉と男性が喜ぶ言葉

さて、こうしてみると、男性に対してはどこを褒めればいいのか、あるいは女性に対してはどこを褒めればいいのかが分かるかと思います。

つまり、男性に対しては、「男性が今まで社会的に成功してきたこと」を褒めた方がより強くポジティブな効果を生起させるといえます。

「○○さんって××商社に勤めていらっしゃるんですね、すごい！」とか「○○さんって××大学のご出身なんですね、頭良い！」といった具合です。

一方で、女性に対しては、「その女性が美しいこと、あるいは美のために頑張っていること」を褒めた方がよりポジティブな効果を生起させるでしょう。

例えば「○○さんは髪を切ってすごく綺麗になりましたね」とか「○○さんはファッションのセンスが良いんですね、似合ってます」といった言葉は、男性よりも比較的女性の方が喜びやすい言葉がけだといえます。