恋愛関係の主導権は女性が握っている?
恋愛への熱中度は男女で異なる?
恋愛は、男女がお互いに相手に愛情を感じることで生起し、関係が持続します。
とはいえ、必ずしもお互いの愛情の強さが同じ程度とは限りません。
日本の男女大学生を対象とした研究によると、男性はパートナーとの関係に熱中する程度が相手と同じぐらい、あるいは相手よりも高いと答えたのに対し、女性はパートナーの方が熱中していると応えたことが分かりました。
このような結果から、一般的には女性の方が恋愛関係において主導権を握っている傾向があるのではないかとされています。
こうした現象が起こるのは、一般的に女性側の方が同年代の男性よりも恋愛経験が多いことが原因だとされています。
恋愛関係の崩壊がもたらす影響
こうした男女の熱中度の差を裏付けるように、男女の間では関係崩壊によってパートナーに抱く未練の程度に大きな差があることが知られています。
クライテリという研究者は、男女の参加者に別れたパートナーと現在のデート相手についての愛情を評価してもらいました。
別れた相手への評価に関して男女間で比較すると、「ロマンティックな依存症」と「身体的覚醒」で男性が女性よりも高い傾向が見られました。
つまり、男性は女性に比べて別れたパートナーに対して、まだロマンティックな愛情を感じており、性的興奮を覚えていたということです。
一方で、現在のパートナーに対しては、「親密さの伝達」「尊敬」「ロマンティックな一体感」においていずれも女性が男性より高いことが認められました。
つまり、女性は男性に比べて現在のパートナーに対して、親密感を感じており、尊敬し、2人が一体であるかのように繋がっている感覚を覚えているということです。
こうした結果から、男性は女性よりも「別れ」の経験から自立するのが難しく、パートナーの影響から脱しづらい傾向があるといえます。
一方で、女性は過去から現在への切り替えが早く、今の関係に積極的で、タフだといえます。
男性の恋愛は「上書き保存」、女性の恋愛は「名前を付けて保存」などと例えられますが、まさに男女の恋愛に対する未練の違いはこうした男女の差異を反映したものだといえるでしょう。
とはいえ、これは恋愛に対して女性が男性に比べて「熱中しづらい」ことを示してはいますが、男性よりも「愛情を感じにくい」ことを示しているわけではありません。
先ほどの研究でも見たように、現在の関係に対して、女性はむしろ男性よりも穏やかな愛情を抱く傾向があり、むしろ男女の間ではそうした愛情の抱き方に違いがあるために、未練の感じ方に違いが現れると言えるでしょう。