メイクをしないとカワイイ自分になる機会を捨てている？ ―目の錯覚を利用したメイクの効果集―
メイクは女性を魅力的にする
女性が行うメイクにはそれぞれ様々な心理的効果があります。
例えば、チークを頬に入れるのは、肌に立体感をだし、小顔効果を持たせるためです。
実際の研究でも頬を明るく塗った顔は、何も塗っていない顔よりも小顔に見られることが知られています。
ちなみに、メイクの効果ではありませんが、同じ実験では髪をショートにまとめるよりもボリュームがあった方が小顔に見えることが明らかになっています。
このようにメイクは女性を魅力的に見せる様々な心理的効果を持っているのです。
メイクの心理的効果を間違えないようにする
ただし、重要なこととして「間違ったメイクは印象を悪くする」ことも気を付ける必要があります。
特にアイシャドウとアイラインは大きく印象を変えてしまいかねないので、「なりたい自分」に合わせて慎重に選択する必要があります。
では、アイシャドウとアイラインをどんなふうにひくと、どんな効果が得られるのかを実験結果をもとに紹介していきましょう。
アイシャドーの錯視
錯視とはつまり、目の錯覚のことです。
下の4枚の顔画像を見て下さい。
それぞれ瞼(まぶた)の上・下・右・左を黒く塗った画像です。
眼の周囲のどこを黒く塗るかで、「目がどこを向いているように見えるか」の印象は大きく変わってきます。
上瞼を塗った画像は下を向いているように見え、下瞼を黒く塗ると上目使いをしているように見えるでしょう。
こうしてみると、可愛らしく、甘い女性をめざしている場合には、基本的にアイシャドーは下瞼に入れる必要があることが分かるでしょう。
一方、アイシャドーは暗いものばかりではなく、自分の肌より明るいものを入れる時もあります。
自分の肌より明るいアイシャドーを入れる時には、先ほどの自分の肌より暗いアイシャドーを入れる時と全く逆の効果が現れることに注意する必要があります。
例えば、先ほどは下瞼にアイシャドーを入れていた方が上目使いをしているようにみえましたが、明るいアイシャドーの場合、むしろ上瞼に入れた方が上目使いをしているように見えます。
自分の使っているアイシャドーが、自分の肌より明るいものか暗いものかで全くその効果は変わってきますので、十分に注意しましょう。
アイラインの錯視
アイラインもアイシャドーと同じ効果を持っています。
上の図は、Aの顔のように、上瞼に暗いアイラインを引き、下瞼に明るいアイラインを引いた眼は上目使いをしているように見えることが分かるでしょう。
ただし、アイシャドーと合わせて、あまりに上目使いを演出しようとし過ぎると過剰演出になってしまいかねないので、何事も限度は必要です。
アイシャドーは目を大きく見せる
基本的に、アイシャドーは暗いものであろうが明るいものであろうが、目を大きく見せる効果があります。
下の画像を見て下さい。
これらは全て目の大きさは変えていませんが、Aの目よりもBの目の方が、Ｃの目よりもＤの目の方が大きく見えることが分かるかと思います。
このようにアイシャドーは、明るさに関係なく目を大きく見せることが分かります。
ちなみに、アイラインも同じ効果を持っていることが知られています。
顔の認識における眉の重要性
目元や肌に塗るファンデーション、チークなどには気をつけているけど、眉にはあまり気を使っていないという人も少なくないでしょう。
しかし、眉毛は「その人の顔を認識するのに最も重要なパーツの1つ」であると言われています。
例えば下の顔を見て下さい。
これはだいぶ極端に見せた画像ですが、眉毛は「その人がその人であること」を示す重要なサインになります。
眉毛に手を抜くということは、魅力的な自分になるチャンスを大きく逃しているということに違いないので、少なくとも意識して整えておくことぐらいは必ずしておく必要があります。
ちなみに、眉毛の場合はその太さ、それが整っているかどうかも重要ですが、その傾き具合も重要になってきます。
これらは全て同じ目なのですが、眉の傾きだけを変更した画像です。
驚くほど印象が変わることが分かるでしょう。
いずれにせよ、スッピンで人前にでかけるということが、人によってはどれだけ様々なチャンスを逃しているかという事が分かるかと思います。
画像出典: 北岡 2012 顔の錯視のレビュー Brain and Nerve, 779-791.
