「結婚は人生の墓場」なのか?―結婚に関するウソとホント―
結婚は人生の墓場?
世間では、「結婚は人生の墓場だ」という声を耳にすることがあります。
これは、結婚すると様々な制約にしばられて、自分の時間を奪われたり、自分のためにお金が使えなくなってしまったりするために、結婚によって不幸せになるという事を示しているとされています。
こうしたうわさは本当なのでしょうか?
具体的に言えば、結婚をした人々は結婚をしていない人々に比べて不幸せなのでしょうか?
週刊SPA!という週刊誌によると、以下のような調査結果が報告されています。
30代の100人の既婚男性に「『この嫁と結婚するんじゃなかった』と思ったことがあるか?」というアンケートを実施したところ、59%の男性が「思う」と回答し、嫁への不満が噴出した。
こうしてみると、一見結婚などすべきではないと言えるかもしれません。
ですが、このデータを見るときには気をつけるべきことがあります。
それは、「今の嫁に不満がある」ということと「結婚によって不幸せになった」ということは全く別の事だということです。
結婚は人を幸せにする
結論から先に言えば、結婚は人を幸せにすることが様々なデータから報告されています。
特に男性にとっては、結婚することで幸せになる効果が大きいようです。
他にも結婚をした人々は未婚の人々や同棲している人々に比べて、うつ病の罹患率が低いことが報告されています。
具体的には、結婚をした人々がうつ病になる確率は、同棲者などよりも約3分の1近くまで低下するとされています。
このように結婚は一般的に人々を幸せにし、心身を健康にさせてくれると言えます。
むしろ、こうした親密な社会的絆を欠いている場合、幸福からは程遠く、悲哀を経験することになるのです。
なぜ夫婦は不満を抱えているのに幸せなのか?
それでは、なぜ冒頭の週刊誌の調査では、妻に不満を抱えている人の方が多かったのでしょうか?
皆さんのご両親、あるいは親友との関係について考えていただきたいのですが、おそらく皆さんはその人たちの良いところと同時に、悪いところ・嫌なところもたくさん知っていることでしょう。
このように、親密な関係にあると心理的距離が近いため葛藤が生じやすく、お互いに傷つけあう場合もありますが、それでも一般的には結婚による安定的な関係は、当事者や子どもに健康や幸福をもたらすのです。
こうしたことから、よい親密関係は幸福の必須要件であると考えられています。
離婚者はうつ病になる可能性が高い
ただし、「結婚は人生の墓場である」という言葉は、特定の人々にとっては、あながち間違いとは言えません。
それは離婚をした人々です。
実は、うつ病になる確率は、既婚者に比べて離婚歴一回では3倍ほどに、離婚歴二回では4~5倍ほどになることが分かっています。
こうしたことから、結婚生活を長続きさせられない人々にとっては、確かに結婚は人生の墓場であると言えるでしょう。