愛は文化を問わず、同性か異性かを問わず普遍である
人間が愛した時に取る行動
人間が異性を愛した時に取る行動が、男女で異なることは、心理学の研究を見ずとも、皆さんよく御存じのことでしょう。
例えば、男性は一貫して「性的で」「ロマンを求める」「ゲーム・プレイヤー的な」恋愛を求める、もしくはそういった恋愛に抵抗がない傾向がみられます。
一方で、女性は「友情に近い」愛情や、「利益関係に基づいた」愛情を示す傾向があります。
さて、問題はこうした男女の恋愛のスタイルはどこまで普遍的かということです。
ひょっとしたら、日本だけの文化かもしれません。
異性愛者だけの文化かもしれません。
こうした恋愛の形はどこでも、誰にとっても一緒なのでしょうか?
文化/民族性と愛の形
文化や民族性というのは、人間の考え方に大きな影響を与えることが知られています。
文化が違えば、見えている世界が違うと言われるぐらいです。
ですが、恋愛に関しては基本的に文化を問わず、男女は同じような愛し方をすることが知られています。
もちろん、多少の違いはあります。
例えば、フランスの大学生たちはアガペー(無償の愛)をより好ましいものとして捉えていたり、アメリカの学生はストーゲイ(友情的な愛)を好む傾向があります。
しかしながら、こうした多少の違いは踏まえても、文化を問わず男女の恋愛の仕方は一貫していることが知られています。
都市部と田舎ではどうか?
都会の人は田舎の人に比べ、性に対して「進んでいる」と言われます。
では、都会の人は田舎に比べ、性に開放的とか、誰とでも性行為をするような恋愛観を持っているのでしょうか?
ニューヨーク(都会)とテキサス(田舎)の愛に対する態度を測定したところ、ほとんどの部分で、性に対する考え方の違いは見られていないことが分かっています。
つまり、都会に住んでいようと田舎に住んでいようと、恋愛の形はそれほど変わらないのです。
同性愛者と異性愛者
まれに、異性愛者と同性愛者を「違う」ものとして捉えるような風潮があります。
では、異性愛者の愛し方に比べて、同性愛者の恋愛の形は何か違う特徴を持っているのでしょうか?
実は、同性愛だろうが異性愛だろうが、それほど恋愛の形は違わないことが知られています。
つまり、男性の同性愛者は「男性的な」恋愛の形を好みますし、女性の同性愛者は「女性的な」恋愛の形を好むようになるのです。
興味深いことに、ここまでご紹介してきたように恋愛の形というのは、どんなに姿かたちが変わっても、それほど変わらないものであることが指摘されています。
この原因は何故か分かっていませんが、今後、愛についての理解が深まるにつれて色々なことが分かるようになってくるかもしれません。