恋をするための心理学Q&A

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親や兄弟、姉妹を性的に見てしまうのは“異常”なのか?

「自分の家族に対して性的な魅力を感じるわけなんてない」

 

おそらく多くの方がそう思っているのではないでしょうか。実際、多くの方は自分の家族を魅力的な異性と見ることを気持ち悪いとさえ思っているかもしれません。

 

ですが、興味深いことに心理学の実験では、こうした人々の意見とは異なる実験結果を出しているのです。

 

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母親や父親が最初の性の対象?

古く、S.Freud(フロイト)は「人間が一番最初に魅力を感じるのは異性の親である」ことを提唱しました。

 

彼によると、人間は異性の親を性的に見るからこそ、同性の親に対してライバル心を抱くとされてきました。

 

とは言え、多くの人にとっては当然かもしれませんが「俺(私)は、母親(父親)が異性として大好きで大好きでたまらなかった」と思っている人は少ないでしょうから、このFreudの説は“トンデモ”なお話に聞こえてしまうかもしれません。

 

では、母親や父親ではなく姉妹や兄弟ならばどうでしょうか。やはり多くの人は、「性的に見ることなんかできない」と応えることと思います。

 

ですが、近年行われた心理学の実験によると、人は自分と遺伝的に近い相手に似た人を“無意識”のうちに好みやすい傾向が知られています。

 

遺伝的に近い人の顔に似ていると魅力的?

心理学の実験では“プライミング”という手法があります。

 

例えば、人間は意識できないスピードで自分の好きなものを提示されると、その後に呈示される対象に対して好意的な反応をしてしまう事が知られています。

 

具体例を出すならば、大好きな芸能人の顔の写真を意識できないスピードで参加者に見せ、その後に初めて出会った異性の写真を見せると、その人が魅力的に見えてしまうといったことが起きます。

 

Fraleyという研究者は“モーフィング”という技術を使って、「異性の親に近い顔」と「異性の親に似ていない顔」を作り、この画像を先ほど芸能人の例で説明したように、意識できないレベルで参加者に呈示し、その後に全く初対面の異性の魅力度を判断してもらいました。

 

すると、参加者たちは異性の親に近い顔を(意識できないスピードで)見た後に、初対面の異性の顔を「魅力的だ」と評価するようになりました。

 

このことから、人間は意識的には「異性の親を魅力的でない」というのですが、無意識では「異性の親に魅力を感じている」可能性が出てきたのです。

 

人間は自分の顔も好き

ちなみに少し話は変わりますが、人は遺伝的に近い異性の顔だけを好むわけではありません。

 

先ほどのモーフィングという技術を使って、異性の親の顔ではなく、自分の顔に似た顔写真を呈示すると、参加者たちは自分の顔に似ている人ほど、その写真の人物を魅力的だと評価するのです。

 

人間は意外とナルシスト的な側面があるのかもしれません。

 

まとめ

人間は、意識的には「自分の近親者など魅力的に見えるわけがない」と考えています。ですが、興味深いことに無意識のうちでは、人間は「異性の近親者を魅力的に見ている」可能性も指摘されています。

 

未だにこの論争には決着はついていませんが、「近親者が魅力的に映ることなどありえない!」と馬鹿にすることはできないと言えます。

 

また、遺伝子の話とは変わりますが、人間は自分の顔に似た人間を好む傾向があるとされています。

 

ひょっとすると、あなたの好きなあの人も自分や自分の家族に似た顔をしている可能性もあるかもしれません。

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