なぜ女性は2人の男性に愛される展開が好きなのか?
女性向けの恋愛小説や映画のような架空のシナリオでは、一般的に1人の女性を2人の男性が愛する展開が非常に多いとされています。
日本では、1人の男性(もしくは女性)がたくさんの異性に愛されるという展開は珍しいものではありませんが、海外の女性向け作品では、女性が2人の男性に奪い合いをされるという展開が人気です。
実際、Fisherという研究者がヒット作と呼ばれるロマンス作品を分析した結果、1人の女性が2人の男性に取り合われる作品が多かったことを発見しています。
なぜ、女性たちは2人の男性に取り合いをされる展開を望むのでしょうか。
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男性と女性の異性に対する反応の違い
こうした話をすると、「異性に取り合いをされる状態を望む傾向はむしろ男性の方が強いんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際、一般的に多くの女性を性的に見て、たくさんの女性と性的関係を持ちたいと願う傾向は、むしろ男性に顕著に見られます。ですが、世界レベルで見た時には、1人の男性を2人の女性が取り合う作品は相対的に少ないのです。
日本には、1人の男性がたくさんの女性に愛される作品は数多くありますが、実のところ2人の女性が男性を取り合うシーンは、女性向けの作品に比べてあまり描かれません。たくさんの女性に愛されているという状況があったとしても、アプローチを仕掛けてくるのはたいてい1人の女性です。
これは、男性の身体が1人の女性を想像することでより強い性的興奮を覚えるように出来ているからだとされています。男性は意外と節操が無いように見えて、たくさんの女性に愛されるという状況に強い性的興奮を覚える人は多数派ではないのです。
一方で、たとえ女性はパートナーがいたとしても、排卵時には他の異性に対して性的興奮を覚えることがあります。こうした時、女性たちは自分の最も近しいパートナーや結婚相手ではなく、“魅力的な”異性を対象に性的興奮を鎮めることが多いことも報告されています。
そして、この時に惹かれやすい男性は「父性的(dad)なタイプ」の優しい男性ではなく「下種な(cad)タイプ」の男性であることも分かっています。
余談ですが、ある研究によると、女性が浮気した時は帰宅してからパートナーに体を求められても、最低でも24時間は待つ傾向があることが判明しています。この理由の1つはもちろん、浮気がばれることを恐れたものですが、もう1つの理由は(無意識のうちに)浮気した異性の子どもを作りたいと願っているからではないかと考えられています。
男女の関係では女性の方が強い
女性が2人の男性に愛される作品を望む傾向が強いのは、他にも理由があるとされています。それは、異性を選択し、恋愛関係になる上では基本的に女性の方が強い立場にいるというものです。
基本的に多くの文化では、パートナーは女性が選択する決定権を持つことが分かっています。日本でも、結婚相談所や婚活パーティなどでは男性が厳しい条件を求められるのに対して、女性は条件が緩く、どちらかというと決定権は女性にあります。
こうした背景があるため、基本的にたくさんの選択肢の中から“良い異性”を選べるのは女性の特権であり、女性自身もどちらかというと、より良いパートナーを求めようとする傾向があります。
「ヒット作」と呼ばれるロマンス作品に、1人の女性が2人の男性に取り合われる傾向が強いのは、こうした女性たちの願望などが現れているためではないかと考えられています。