男らしい男性の顔がモテる時、女らしい男性の顔がモテる時
「男性は男らしい顔をしていた方が良い」あるいは「男性は中性的な顔立ちをしていた方が良い」といった男性の顔に対する理想は女性によって大きく違う、ということは多くの方が既に知っていることでしょう。
俳優の「阿部 寛」や「北村 一輝」のような男らしい顔を好む人もいれば、ジャニーズアイドルのような可愛らしい、女性の様な男性の顔を好む人もいます。
ただ、心理学の研究からは、女性の男性に対する顔の好みは、時期によっても変化することが知られているのです。では、女性は一体どんな時に男性らしい顔を好きになり、どんな時に中性的な男性を好きになるのでしょうか。
男性らしい顔と中性的な顔の印象
その前に、一般的に男性らしい顔と中性的な顔がそれぞれ女性にどのように評価されているのかを見てみましょう。
男性的な顔というのは、他人に対して支配的で、年齢が高い印象を与えます。加えて、温かみや感情の豊かさ、正直さ、協力性、父親としての資質に欠けると評価されやすいようです。
つまり、男性的な顔の人は人間性に優れているように見えにくい傾向があります。
一方で、中性的な顔の人の印象は男性的な顔の場合とは逆になります。温かく、人間的に優れているように見えるのですが、幼く、威厳のなさそうな顔に見えてしまうわけです。
また、性格以外にも男性的な顔は、中性的な顔の男性よりも男性ホルモンが多く、繁殖力が高いことを示した顔であるとも言えます。
このように、顔に対する好みというのは、ただ単に顔を好きか嫌いかというだけでなく、そこから予測される性格や繁殖力などを含んだ総合的な評価が加わっていると言えるでしょう。
繁殖を望む時、望まない時
そして、この「男性の顔から予測される繁殖力」というのが、女性の男性の顔に対する好みの変化を理解する上で大きなキーワードになってきます。
つまり、女性の顔の好みは繁殖を望む時と望まない時で大きく変化してくるのです。
Perrettの研究チームは、女性の妊娠可能性が低い時期(生理前の2週間と生理中)と妊娠可能性が高い時期に、それぞれ男性の顔の好みについて尋ねました。
すると、妊娠可能性が低い時期には中性的な顔を好んでいた女性が、妊娠可能性が高い時期には男性的な顔を好むようになっていたのです。
こうしたことから、女性の男性に対する顔の好みというのは、非常に短期間の間にも移り変わっており、自分の身体が妊娠しやすい時期かどうかによって変化していると言えます。
また、男性らしい顔は「短期的な性的関係を持つ対象」として最も魅力的な顔に選ばれやすく、中性的な顔は「長期的なパートナー」として最も魅力的だと評価されやすいことが分かっています。
こうしたことから、男性的な顔の男性は気軽な性交渉のパートナーに選ばれやすく、中性的な顔の男性は結婚相手などに選ばれやすいと言えるでしょう。
まとめ
ある女性が男性らしい顔、あるいは中性的な顔が好きかどうかは、おそらく多くの人が「人による」と考えてきたことでしょう。実際、人によって好みが違う部分も大いにあります。
ですが一方で、女性が妊娠しやすい体の状態かどうかといった、生物としての人間の体の状態も顔の好みに影響を与えており、非常に短期間で女性の顔の好みというのは変化していることも分かっています。
このように、男性の顔に対する好みというのは、単純にその顔が好きか嫌いか、イケメンかどうかという事とは別に、繁殖力の高さという進化的な、生物的なキーワードが影響していると言えるでしょう。
