恋をするための心理学Q&A

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人間は気温が暖かいと目の前の人を温かく感じやすい ―気温と好意の関係―

皆さんは「手が温かい人は心も温かい」という言葉を聞いたことはないでしょうか。一方で「手が冷たい人は心が温かい」という言葉もあります。

 

どちらの言葉が本当なのでしょうか。それともどちらも本当ではなく、そもそも体の温かさと心の温かさに関係などないのでしょうか。

 

古くから人間は、心と体の関係について多くのメタファー(比喩)を使って説明してきましたが、近年、心理学の実験からは日常にも役立つ面白い研究結果が示されています。

 

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温かいコーヒーと目の前の人間に対する印象

今、皆さんは、目の前にある写真の人物の印象を応えさせられる実験に参加しています。ただ、この実験は少し変わっていて、印象を判断する際、温かいコーヒーを持たされるか、あるいは冷たいコーヒーを持たされるのです。

 

さて、どちらのコーヒーを持った人が目の前の写真の人物をより「温かく優しい人物である」と評価したでしょうか。

 

実験の結果、多くの人々は温かいコーヒーを手に持っている場合に、目の前の人物をより「優しい人だ」と評価したのです。

 

このように、自分の身体に触れている物体の温かさがそのまま目の前の印象判断に影響を与えることが心理学の実験では何度も確かめられてきました。

 

気温の温かさと人物の評価

コーヒーの実験をさらに発展させた研究があります。この研究では、参加者たちは暖かい部屋か寒い部屋のどちらかで、初めて出会った人の印象を応えるよう求められます。

 

さて、どちらの部屋に居た参加者の方が初対面の人を「優しく温かい人である」と評価したでしょうか。

 

おおよそ予想はついているかもしれませんが、暖かい部屋で印象を判断した参加者の方が相手のことを「温かい人である」と評価し、しかも相手が「自分の身近な人物である」かのように感じていたのです。

 

このように、人間は自分の身体の冷たさや温かさによって、相手に対する印象や相手との関係性までもが大きく影響を受けることが分かっています。

 

テクニックとしての温かさの利用

このように、外気温や直接体に触れているものの温かさ/冷たさが、その人のものの見方に大きな影響を与えることが分かりました。

 

つまり、暖かい季節や温かい部屋に居る時には、普段よりも気になっている相手から自分を「良い人に見てもらいやすくなる」と言えます。

 

しかも、普段より身近な人物と感じやすくなってもらえるため、関係を深めるためにも絶好のチャンスだと言えるでしょう。真冬にコタツに入って、暖かい鍋を2人で囲んでいると関係が深まったように感じるのは、気のせいではないということですね。

 

こうしたテクニックを使って、気温や相手の手に触れるものを上手く調節することで、相手の自分に対する見方そのものを変化させうると言えるでしょう。

 

まとめ

人間の身体と心は深く、そして強くリンクしていることが心理学の研究では示されてきました。特に、「関係が冷え切った」「温かい関係」といったように、人の関係と温かさについては多くの言葉がその関係の強さを示しています。

 

実際、人間は暖かい場所に居たり、温かいものを触っていると、眼の前に居る人を優しく温かい人物であると錯覚するようです。昔の人は、こうした暖かさと温かさの関係を無意識のうちに理解していたのかもしれません。

 

いずれにせよ、こうしたテクニックは手軽に使いやすく、相手との関係性を深める上でも役立つものです。気になる相手と話すときには、温かいお茶を渡してみるなど、意識して使ってみるとよいでしょう。

 

画像:https://www.flickr.com/photos/36158213@N07/5051639929/

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