「外見だけじゃなくて内面を見て欲しい」はありえるか?
私は内面がウリという人々
容姿なんて気にせず、「私の内面を見て、そこを好きになってくれる人と交際したい」という方々がいらっしゃいます。
他にも、「あなたの見てくれの美しさなんかじゃなくて、内面の美しさに惚れたんだ」という言葉も聞くことがあります。
さて、こういった発言は、容姿とその内にある性格は切り離して評価できるという前提があるからこそ言えるわけですが、人間は本当に見た目と性格を切り離して考えることができるでしょうか?
人間は1秒未満で性格を判断する
心理学の実験の結果、人間は少なくとも出会って1秒未満で相手の顔を認識し、どんな人種かを判断し、どんな性格をしているかまで判断することが分かっています。
具体的には、520ミリ秒(0.52秒)で、すでに人間は第一印象を判断し終わっているとされています。
もちろん、これだけ素早い判断ですから、この判断は人間の意識にはのぼりません。
せいぜい「なんとなくこの人は嫌だなあ」とか「なんとなくこの人は好きだなあ」とぼんやり感じ取れるだけですが、すでに出会って1秒未満でこの「なんとなく」の判断は終わっています。
つまり、そもそも人間の性格判断は容姿から入っているのです。
大抵の場合、美人であるほうが、あるいはカワイイ方が好ましい性格であると判断されるのですが、重要なこととして、美人だから必ずしも良い性格と判断されるわけではなく、一方で容姿に優れていないから嫌な性格だと判断されるわけではないということも分かっています。
印象を判断する上で重要な笑いジワ
従来の研究から、普段から笑っており、顔に「ちゃんとした」笑いジワが出来ている方は好ましい印象を得られやすいことが分かっています。
美しい顔になるにはどうするか? - 恋をするための心理学Q&A
この「ちゃんとした」というのは、作り笑顔による笑いジワではないという意味です。
例えば、作り笑顔の代表的な顔としては政治家の顔がありますが、彼らの顔は口角だけを上げた笑いが多いため、目元にシワが出来ず、非常に「政治家らしい顔だち」になります。
興味のある方は、何人かの政治家の方の口元と目元の写真を色々と見比べてみるといいかもしれません。
作り笑いばかりすると、どんな顔になるかが分かるでしょう。
普段の生活習慣が顔を作りあげる
そもそも、外見だけでなく内面も見て欲しいという方は普段の生活を健康的に送ることや、人と出会う時のマナーに気を配っているでしょうか?
普段から笑っている人は笑顔が素敵な顔になるように、私たちの外見は、多くの場合私たちの内面によって作られています。
例えば、好きな人と出会うのにすっぴんでくるような人は、良い言い方をすれば明け透けな人ですが、悪い言い方をすれば人目や外聞を気にしない人とも言えます。
また、服にシワが付いたまま、毛くずを付けたままデートに来るような人は、普段の生活もズボラな可能性もあります。
他にも美容、スタイル、アクセサリーなど外見に関わる要素は数多くありますが、全体から見れば、その多くに本人の努力や普段の生活で改善可能なものが潜んでいます。
このように、「人と会うのに外見に気を使わない」、「これまでの生活態度を改めていない」ということが本当にあなたの性格の良さを示しているのか今一度考えてみる必要があるかもしれません。
また、逆に誰かの外見に惚れた人が、ただ外見に「だけ」惚れたと考えるのも勘違いにすぎません。
外見と内面は切り離せるものではなく、外見に惚れたということは、確かにその人の内面の一部に惚れたという事に違いはないのです。