熱愛と友愛―なぜあの人は結婚できないのか？―

モテるのに結婚できない人々

興味深いことに、この世の中には「恋愛の相手に困らないけれど、結婚が出来ない」という人々が存在します。

たまに、こうした人たちの恋愛の仕方には何か「問題」があるかのような言い方をする人もいらっしゃいます。

確かに、結婚できないことには何かの「原因」があるのでしょうが、本当に彼らは何か「問題」を抱えているのでしょうか？

熱愛と友愛という2つの愛の形

これについて考える時、重要なこととして「愛には2つの形がある」ということを理解しておく必要があります。

燃えるような情熱的な愛情である「熱愛」と、穏やかで静かな、それでいて満足感のある「友愛」です。

実は、私たちの恋愛の多くは、前者の熱愛から始まります(初めから友愛で始まるカップルもいます)。

そのため、関係の始めには「○○は私のことを好きだろうか」「○○と一緒に遊んで楽しかった」と激しい喜怒哀楽の感情が様々に襲ってきて、感情が不安定になります。

しかしながら、この関係が落ち着いてくると私たちはパートナーに対して落ち着きを感じ、確固とした信頼を抱くようになるのです。

熱愛は長続きしない？

恋愛が結婚に代わる上で重要なのは、この熱愛を友愛に変えられるかどうかです。

実は、熱愛は人間の体に大きな負担をかけるため、長期間維持できないように進化的に人間の身体にプログラムされています。

そのため、熱愛が続くのはおおよそ12~18か月だと言われています。

要は恋愛関係を長続きさせるためには、1年から2年の間に、熱愛を友愛に変えていく必要があるのです。

恋愛には困らないけど、結婚できないという人は、おそらくパートナーとも2年以内に別れることが多いのではないでしょうか？

熱愛から友愛への切り替え

こうした「愛情関係の切り替え」は、相手のためを思って援助し、一方で自分が困っていたら相手は必ず助けてくれると確信する「お互いの信頼」によって築かれていきます。

これが一方通行で依存の状態になっていたり、相手のことを尊敬できなくなったりすると、友愛への切り替えは上手く成立しません。

これはお互いの相性に近い要素もあるので、必ずしも「結婚できない人々」に問題があると言い切るのは難しい側面もあります。

ただ、もしも結婚できないことで今悩んでいる人がいたとしたら、自分が相手のことを信頼しきれない時、あるいは自分が相手を援助しようという気持ちが起きない時、その原因はなぜかを考えてみるのは重要なことです。