恋愛においては顔の魅力が全てなのか？

顔の魅力が恋愛においては全てなのか？

「ただし、イケメンに限る」という言葉がインターネット上で流行したように、恋愛においては身体的魅力がその人物の魅力の全てを決定しているかの様な言説はずっとささやかれてきました。

こういった言葉は本当なのでしょうか？

まず、心理学的立場から言えば、この言葉は半分本当で半分嘘、あるいは言い過ぎだといえます。

関係に対する身体的魅力の影響

確かに、身体的魅力は人と人との関わり、特に恋愛関係について述べる上で重要な要素です。

関係の初期段階で、ある人が特定の人に接するかどうかの大部分は身体的魅力が決定していますし、関係の初期段階では、どのようなタイプのコミュニケーションが起こるかにも影響します。

ここで何度も「関係の初期」と書いているように、2人の関係がそれほど進展していない時には、身体的魅力が大きな要素を占めていることが分かっています。

関係の進展と身体的魅力の消失

ですが、一方で社会的魅力と呼ばれる「優しさ」や「誠実さ」、「明るさ」のような要素や、あるいは職業的魅力と呼ばれる「真面目さ」、「責任感」といった魅力が重要なタイプとして出現し始めると、身体的魅力の影響は消失し始めます。

加えて、社会的魅力や職業的魅力が人間関係の一部になり始めると、多かれ少なかれ、その人物は身体的に魅力的に見えるようになってくるのです。

皆さんも、それほど顔もスタイルも良くない芸人や、ミュージシャン、スポーツ選手、あるいは銀行マン、大手商社に勤める人が多くの女性(あるいは男性)にモテる姿を見たことはないでしょうか？

身体的魅力は、最初から備わっているものばかりによって決まるのではなく、その人の振る舞いや発言によって後から決まってくるものでもあるのです。

例えば、客観的には顔が良いわけでもない恋人が時々ものすごく格好よく、あるいは可愛らしく見えてしまうのも、こうした社会的魅力や職業的魅力が身体的魅力に影響を与えた結果であると言えます。

 

 身体的魅力とは一体何か？

しかし、そうは言っても「そもそも身体的魅力が無ければ人間関係が始まらないのであればどうしようもないではないか！」と言う方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、こういった言説には注意すべき点が含まれています。

それは、身体的魅力は必ずしも「顔の良さ」だけを指す言葉ではない、ということです。

人は、確かに他人の身体的魅力に惹かれる生き物ですが、人によって「顔に惹かれる人」と「身体全体の印象に惹かれる人」に分かれることが分かっています。

つまり、顔が良くなくても魅力的に見られる人というのは一定以上存在するのです。

こうした方たちはスタイルやファッション、服装全体の清潔感、髪型、歩き方、姿勢などに大きく注意を払っている場合が多いと言えます。

最近では「雰囲気イケメン」などという言葉がインターネットで流行しましたが、まさにこうした言葉は「顔がイケメンではないのにイケメンに見える」人たちがいることを表しています。

まとめ

繰り返しになりますが、確かに人間関係の始まりは身体的魅力が大きな要因を占めています。

ですが、その身体的魅力は顔の魅力だけを表しているわけではなく、体全体の魅力を表す場合もあります。そして関係が進展してくると、身体的魅力は、性格の魅力よりも影響力が小さくなってしまうということを覚えておく必要があるでしょう。

よく、恋愛する人には顔が良い人を選んで、結婚する人には優しかったり、良い職に就いている人を選ぶと言いますが、これは決して妥協して選んでいるわけではありません。

結婚のように長く関係を続けていく上では、人間にとっては体の魅力というのはそれほど大きなものではなくなってくるのだと言えます。