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倦怠期はなぜ起きるのか?いつ起きるのか?

多くのカップルは交際して1,2年もすると倦怠期に突入します。他にも、結婚をした夫婦は結婚時点で最高の愛情を感じますが、それ以降はお互いに対する愛情が減少し続けます。

 

このように、倦怠期というのは多くの恋愛関係にとって欠かせないものでもあります。いつ人は倦怠期になるのでしょうか。そして、なぜ倦怠期を迎えるのでしょうか。

 


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倦怠期を迎える時期と体の防衛反応

多くの恋愛関係において、大体1,2年もすればロマンティックな恋愛感情は終わりを迎えます(Marazzitiらの研究によれば、約12~18ヶ月)。これは恋愛感情に関わる、セロトニン伝達物質の濃度やその他のホルモンが減少していくために起こる反応です。

 

なぜ、恋愛感情は1,2年で終わってしまうのでしょうか。

 

その理由は、体への負担を軽減するよう進化的に獲得してきた防衛反応であるためだと言われています。

 

皆さんは、ロマンティックな恋愛をしている際、おそらく気分がすごく高揚したり、一方でものすごく落ち込んだりした経験があるのではないでしょうか。人間が恋愛をしている状態というのは、脳や体に大きな負担がかかっている状態でもあります。

 

そして、交際して1,2年というのは子どもを作るのには十分な期間でもあるわけです。このように、人間の身体は子どもを作るために恋愛をし、それに十分な期間が経てば、恋愛感情が収まるようになっているのです。

 

そして、2人の愛情は子どもへと向かようになります。こうしたことから、人間のロマンティックな恋愛感情は1,2年ほどで終わるのだと考えられています。

 

同じ物に接していると飽きるという反応

そして、人間が倦怠期を迎える理由はこうした進化的な理由ばかりではありません。人間には、どんなに良いものでも悪いものでも、同じ物に接していると飽きるという「快楽適応」という反応があります。

 

これは、人間が嫌なものに接してしまった時には有効な心理的反応だと言えます。例えば、毎日いじめられている人が居たとして、その人が毎日毎日同じだけの苦しみを耐えていたら、その人の心は壊れてしまいかねません。

 

ですが、快楽適応があることによって人間はその状況に慣れていき、苦しみを感じにくくなっていくのです。

 

ただし、この快楽適応の困ったところは、楽しかった経験をしても同じように人間は慣れてしまうという点です。皆さんもどんなに好きな食べ物でも毎日繰り返し食べていれば飽きるという現象を聞いたことがないでしょうか。

 

人間は、どんなに好きな人と一緒に居ても、繰り返しその人に接触していると飽きてしまうという心理的反応を持っているため、ある意味で人間にとって倦怠期は避けられない現象だとも言えます。

 

まとめ

ちなみに、ごく一部の例外として倦怠期にならずいつまでもロマンチックな恋愛感情を持ち続けるカップルや夫婦もいます。実のところ、なぜ彼らがいつまでもロマンチックな恋愛感情を持ち続けられるのかは今の科学では詳しく分かっていません。

 

ですが、倦怠期というのは必ずしも“なってはいけないもの”ではありません。例えば、人間はロマンチックな恋愛感情を終えると、今度は家族関係のような温かく穏やかな人間関係を築くようになります。

 

このように、倦怠期は2人の関係を「恋愛関係」から「家族関係」に変えていくために重要な時期であるとも言えるのです。

 

また、倦怠期を乗り越えるための方法もかなり多くの研究がすすめられています。倦怠期が多くのカップルにとって避けられないものであるからといって、必ずしも恐れる必要は無いと言えるでしょう。

 

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