ロマンティックな愛はギャンブルと同じ快感をもたらす?
ロマンティックな愛がもたらす変化
わたしたちが異性に対して強く、激しい愛情を感じている時、それを心理学では「ロマンティックな愛」と呼びます。
こうしたロマンティックな愛を感じている時は、私たちの感情は非常に強く、そして大きく揺れ動きます。
例えば、時にはその異性といることで強い幸福感を感じたり、楽しさを感じる一方で、もう一方ではその人のことを想い強く不安を感じたり、自分が好かれているか恐怖を覚えたりすることになります。
しかも、これらの感情はたった数時間の間でも大きく揺れ動き、さっきまではすごく楽しかったのに、今は嫌われていないか恐怖を覚えるということも少なくありません。
他にも、ロマンティックな愛は人々に考え方の変化ももたらします。
ロマンティックな愛は、その異性以外のことを考えれなくなるなど「注意の集中」や「強迫観念」を見せ、客観的に見れば2人が好きあっているのは明らかな状況でも「相手は自分の事を好きなのか…?」と「現実を歪曲」し始めたり、「性格の変化」をもたらし、「精神面でも肉体面でも依存」をもたらします。
時には、「禁断症状」や自分ではどうしようもないほどの「行動制御能力の喪失」に繋がる人や状況もあるようです。
さて、これらの「愛の症状」を見て、何かに似ていると思った人はいませんか?
そうなのです。
これらの症状は、薬物中毒、アルコール中毒など「中毒症状患者」が示す反応と同じなのです。
ロマンティックな愛と中毒症状
興味深いことに、ロマンティックな恋愛関係にある人々は、コカインによる「快感」と関連する領域において神経が活発化し、愛することを拒絶された人々は、「高リスク高リターンのギャンブル」に金をかけた人々と同じ領域で神経が活発化することが示されています。
他にも、ロマンティックな恋愛関係にある人々とコカインを摂取した人々の脳をスキャンすると、多くの同じ脳の領域が活性化していることが示されています。
つまり、ロマンティックな恋愛に陥った人々と中毒症状の人たちの脳活動は非常に似通っているのです。
このことから研究者は「ロマンティックな愛は、食べ物、アルコール、ドラッグ、ギャンブル、ニコチンに加えられるべき中毒の1つである」と述べています。